書に耽る猿たち

読んだ本の感想、本の紹介、本にまつわる話

2021-06-10から1日間の記事一覧

『風土』福永武彦|自分が自分自身になる

『風土』福永武彦 小学館P+D BOOKS 2021.6.9読了 去年初めて福永武彦さんの小説を読み、特に『忘却の河』に圧倒され、今でも読み終えた時の衝撃と感動は憶えている。その福永さんの処女長編作品がこの『風土』である。24歳の時にこの作品の着想を得て、約10…