書に耽る猿たち

読んだ本の感想、本の紹介、本にまつわる話

◇自伝

『約束の地 大統領回顧録 Ⅰ 』バラク・オバマ|選挙戦と第1期めの任期|隠れた英雄を讃えよう

『約束の地 大統領回顧録 Ⅰ 』上下 バラク・オバマ 山田文 三宅康雄・他/訳 ★ 集英社 2021.4.24読了 発売されてすぐに購入していたのが、なんだか読むのが勿体ないような、心を落ち着けてこれに挑む準備をしてからにしよう、など思っているうちに2ヶ月くら…

『喜嶋先生の静かな世界』森博嗣|研究者の幸せな時間

『喜嶋先生の静かな世界』森博嗣 講談社文庫 2021.2.27読了 森博嗣先生(何故だか先生と呼びたくなるし、そのほうが合っていると思うのだ)の本を読むのは久しぶりだ。小説に夢中になり始めた頃にほとんどの人が通るのが森先生の作品群ではないだろうか。膨…

『マーティン・イーデン』ジャック・ロンドン|富と名声で他人を判断する

『マーティン・イーデン』ジャック・ロンドン 辻井栄滋/訳 白水社 2021.2.20読了 ジャック・ロンドン氏の作品で最も有名なのは『野性(荒野)の呼び声』だろう。私も去年読み、大自然の雄大さと生きるエネルギーを堪能した。この『マーティン・イーデン』は…

『ゲンロン戦記 「知の観客」をつくる』東浩紀|失敗力をいかす

『ゲンロン戦記 「知の観客」をつくる』東浩紀 中公新書 2021.2.13読了 多くの方がこの本を紹介され、かつ絶賛されているため、私も気になり読んでみた。「ゲンロン」という思想誌や「ゲンロンカフェ」という企画が存在することは知っていたが何をやっている…

『言葉を離れる』横尾忠則/絵と言葉は本当に正反対か

『言葉を離れる』横尾忠則 講談社文庫 2020.12.29読了 やはり表現者だなぁと心底思う。文章は長ったらしく句読点も少なくて読みにくいのに、人の心を掴む魂を紡いでくる。美術家、横尾忠則さんのエッセイだ。それもある意味「本」「言葉」に対する否定の書と…

『日日是好日 ー「お茶」が教えてくれた15のしあわせー』森下典子/日々の気付きを大切に

『日日是好日(にちにちこれこうじつ) ー「お茶」が教えてくれた15のしあわせー』 森下典子 新潮文庫 2020.11.6読了 朝日新聞が、本のための情報サイトとして「好書好日(こうしょこうじつ)」を運営している。たまに見ることがあるのだが、「好日」繋がり…

『太陽と鉄・私の遍歴時代』三島由紀夫/肉体と精神・三島たらしめるもの

『太陽と鉄・私の遍歴時代』三島由紀夫 中公文庫 2020.8.22読了 三島由紀夫さんの自伝的エッセイが2篇と、自衛隊駐屯地で自決する少し前のインタビューが収録されている。まぁ、2篇の極端なことったらない。なるべく我慢して巻末の解説は最後に読もうとして…

『猫を棄てる 父親について語るとき』村上春樹/誰もが平凡な1人の人間である

『猫を棄てる 父親について語るとき』村上春樹 絵・高妍 文藝春秋 2020.6.5読了 村上春樹さんの小説やエッセイには、家族のことはほとんど書かれていない。敢えて登場する人と言えば、奥さまだろう。「妻と美味しいワインと料理をたしなむ」なんていうシーン…

『車輪の下』ヘルマン・ヘッセ/悲劇なのに清々しい気持ちになれる

『車輪の下』ヘルマン・ヘッセ 高橋健二/訳 ★★ 新潮文庫 2020.4.29読了 世界の古典名作を読もう、ということで『車輪の下』を読んだ。ヘッセ氏の作品は10代の頃に読んだ記憶があるが、何を読んだのかどんな話だったか全く覚えていない。この作品は、ヘッセ…

『マイ・ストーリー』ミシェル・オバマ/自分のことを知り、語り、相手を受け入れれば道は開ける

『マイ・ストーリー』 ミシェル・オバマ 長尾莉紗・柴田さとみ/訳 ★★★ 集英社 2020.1.18読了 世界45言語で翻訳され、1千万部突破のベストセラー。前アメリカ合衆国大統領、バラク・オバマ氏の妻、ミシェル・オバマさんの自伝である。現在のトランプ大統領の…