書に耽る猿たち

読んだ本の感想、本の紹介、本にまつわる話

海外(マ行の作家)

『パチンコ』ミン・ジン・リー/誰もが産まれる国を選べない

『パチンコ』上下 ミン・ジン・リー 池田真紀子/訳 ★★ 文藝春秋 2020.10.30読了 まるでペルシャ絨毯を思わせるような装幀、色使いは花札のようだ。書店で見かけた時に表紙に一目惚れしたのだが、よく見ると全米図書賞最終候補、オバマ前大統領推薦とある。…

『赤毛のアン』モンゴメリ/「想像の余地」を活かそう

『赤毛のアン』L・M・モンゴメリ 松本侑子/訳 文春文庫 2020.10.12読了 これもまた、遥か昔小学生の時に読んだ本だ。アニメでも観たような。少女の成長物語だったと覚えているけど、中身はすっかり忘れている。いまNHKで「アンという名の少女」という『赤毛…

『パトリックと本を読む 絶望から立ち上がるための読書会』ミシェル・クオ/誰かと一緒に本を読む

『パトリックと本を読む 絶望から立ち上がるための読書会』ミシェル・クオ 神田由布子/訳 白水社 2020.8.20読了 私は読書が大好きでもはや日常の一部となっているが、いわゆる「読書会」というものに参加したことはない。読書は自分が好きな時に、好きな本…

『極北』マーセル・セロー/生まれた世界に生きるしかない

『極北』マーセル・セロー 村上春樹/訳 中公文庫 2020.2.19読了 先日書店で目に留まった一冊。なんだか最近、寒い感じの本を選んでしまう。冬だからかなぁ。でも寒さを感じる本の中に熱いエネルギーを感じられる、そんな作品は素敵だ。 不思議な作品である…

『マイ・ストーリー』ミシェル・オバマ/自分のことを知り、語り、相手を受け入れれば道は開ける

『マイ・ストーリー』 ミシェル・オバマ 長尾莉紗・柴田さとみ/訳 ★★★ 集英社 2020.1.18読了 世界45言語で翻訳され、1千万部突破のベストセラー。前アメリカ合衆国大統領、バラク・オバマ氏の妻、ミシェル・オバマさんの自伝である。現在のトランプ大統領の…

『服従』ミシェル・ウエルベック/政治への服従、男女間の服従

『服従』ミシェル・ウエルベック 大塚桃/訳 河出文庫 2019.11.28読了 先日読んだ『プラットフォーム』に次いで、ウエルベックは2冊目である。1冊読んで、なんとなく読んでいて私にはしっくりくる空気感だった。いつも言っている、読み心地のこと。 2022年の…

『プラットフォーム』ミシェル・ウエルベック / 虚無を抱えて生きる

『プラットフォーム』ミシェル・ウエルベック 中村佳子/訳 河出文庫 2019.11.9読了 書店でミシェル・ウエルベック氏の本をたまに見かけるが、こんなに有名な人だったのか。そして、なかなか面白い本を書く人だな、さすが現代ヨーロッパを代表する作家だと感…

『昏き目の暗殺者』マーガレット・アトウッド / 皮肉たっぷりの老女アイリスの回想記

『昏き目の暗殺者』上・下 マーガレット・アトウッド 鴻巣友季子/訳 ハヤカワepi文庫 2019.10.26読了 10月10日に、今年のノーベル文学賞が発表された。去年の分と合わせて2名、ポーランドの女性作家オルガ・トカルチュク氏と、オーストリアの男性作家ピータ…