「王妃の離婚」 佐藤 賢一
集英社文庫 2019.1.6読了
第121回直木賞受賞作の本作、ずっと前から気になっていたがようやく読了。中世フランスの訴訟問題がテーマになっているとのことだが、私としては少し期待外れ。どうも、小中学生の時に読んでいたコバルト文庫にありそうな、ライトノベルのような軽いタッチ。
きっと、読む時期によっては心に残る作品になったのだろう。不思議と小説は、自分が何歳の時に読むか、どんな状況の時に読むかで受け取り方は全く異なる。現に、昔読んで大興奮した小説を先日読んでみたが、あまり響かなかった。ということは、逆にあまり感動を得なかった本を数十年経ってから読むと変わるのだろうか。いや、そういう本は決して読み返さないのだ。だから、初めて読んだ時に感動する人が多ければ多い本ほど、何十年も世に残っていくのだろう。
特に直木賞は、選考委員の方が誰なのかによって受賞作のテイストが異なる。この時は誰だったのだろう。今度気が向いたらそんなことも調べてみようか…。