文春文庫 2020.2.1読了
ここ1~2週間は頭の中が南米モードである。ポーラースターシリーズ第3巻。ゲバラの話が続くのかと思ったら、突然フィデルの話になった。フィデル・カストロの父アンヘル・カストロの生い立ちから遡る。親友となるピノ・サントスのほうが聡明で先見の明があり、魅力的だ。アンヘルは女にもだらしなく正直魅力には欠けるのだが、周りがほっておけなくなる何かを持っているのだろう。
正妻との子ではなく、別の女性との間に産まれた子が後の革命家フィデル・カストロだ。フィデルの話が3巻の中の第2部となるが、ここからは面白くなった。2巻から気になっていたのだが、物語に起伏がなく歴史説明をただ聞かされるのはちょっと辛かった。
フィデルの幼少期をみると、中の下だった成績が短期間の努力だけで急に1位になったり、アメリカ大統領に手紙を書いて返事をもらったり、周囲があっと驚くようなことをするため、将来大物に変貌する片鱗をみせている。やはり大物になる人はなるべくしてなった軌跡があるのだろう。特に幼少期は貧しかったり家庭の事情が複雑であることが多い。反骨精神がエネルギーの1つになるのだ。
ポーラースターシリーズは全4巻になる予定だ。3巻まではまとめて購入したのだけれど、4巻だけはまだ刊行されていない。文藝春秋で連載されているから刊行はされるのだろうけれど、去年3ヶ月連続文庫を刊行したのに、タイミング的に不思議だ。急いで文庫化する必要があったのかな?しかも今回の3巻は単行本では刊行されず、いきなり文庫での登場らしい。私のような普通の読者はいいけれど、海堂さんのファンの方からすれば、ちゃんと単行本で出してあげて欲しいよな〜。
4巻ではついにゲバラとフィデルが出逢うのかと思うと楽しみではあるが、本になるのはいつになることやら。