書に耽る猿たち

読んだ本の感想、本の紹介、本にまつわる話

国内(な行の作家)-なかにし礼

『夜の歌』なかにし礼/過去の作品と重なる自伝小説

『夜の歌』上下 なかにし礼 講談社文庫 2020.2.11読了 なかにし礼さんの自伝的小説だ。26歳で入院した時にゴーストという存在に初めて出会い、過去と現在とを行き来するストーリーになっている。この作品は雑誌に掲載されたようだが、書き始めたのも、度重な…

『赤い月』 なかにし礼 / あなたは生きることの天才だ

『赤い月』 上・下 なかにし礼 ★ 岩波現代文庫 2019.7.31読了 波子たちが牡丹江からハルビンへ向かう軍用列車に乗っている20日間の出来事が壮絶である。汽車が止まる度に、ソ連軍の攻撃からなんとか逃げ、満鉄社員に金目の物をあげて列車を動かしてもらい、…