書に耽る猿たち

読んだ本の感想、本の紹介、本にまつわる話

国内(や行の作家)-吉田修一

『湖の女たち』吉田修一|異質だと思っていたものがそうではなくなる

『湖の女たち』吉田修一 新潮社[新潮文庫] 2023.9.5読了 吉田修一さんの小説を読むのは久しぶりだったけれど、やはり文章もストーリーも淀みなく上手いなぁという印象だ。作品としては『悪人』や『怒り』には到底及ばないがさすがの筆致で読ませるものがあ…

『国宝』 上下 吉田修一 / 死ぬまで舞台に立ちたいのは皆同じ

『国宝』 上 青春篇 下 花道編 吉田修一 朝日新聞出版 2019.3.10読了 私は歌舞伎を鑑賞したことがまだない。去年友人が「女子歌舞伎」なるものを習い始めて、その発表会を観に行ったことがあるだけだ。素人が演技していることもあるが、慣れない衣装、大きな…