書に耽る猿たち

読んだ本の感想、本の紹介、本にまつわる話

国内(あ行の作家)-太田愛

『天上の葦』太田愛/戦争体験者の想いと報道の在り方を問う

『天上の葦(あし)』上下 太田愛 ★ 角川文庫 2020.2.27読了 太田愛さんの作品は『犯罪者』『幻夏』に次ぐ3作目だ。期待通りの作品だった。陳腐で使い回された表現だが、まさに極上のエンターテイメント!と言えるだろう。 渋谷のスクランブル交差点で、突如…

『幻夏』太田愛 / 冤罪によるその後の人生

『幻夏』太田愛 ★ 角川文庫 2019.12.17 読了 先月読んだ『犯罪者』シリーズの2作目である。1作目を読んだのが1か月前だし、その後家族に貸して本についても会話をしたからか、内容はほぼ鮮明に覚えている。今回の話は、交通課刑事、相馬に視点をおいた物語だ…

『犯罪者』太田愛 / 脚本家が小説を書くとこうなる

『犯罪者』上下 太田愛 ★ 角川文庫 2019.11.14読了 最近、文庫本に掛けてある本の紹介帯が本全体を覆うようになっていて、カバーが二重になっているようなものをたまに見かける。出版社が作っているものもあれば、書店独自のものもあるようだ。私は全面を覆…