書に耽る猿たち

読んだ本の感想、本の紹介、本にまつわる話

国内(た行の作家)-髙村薫

『作家は時代の神経である コロナ禍のクロニクル2020→2021』髙村薫|コロナ禍でみえたもの

『作家は時代の神経である コロナ禍のクロニクル2020→2021』髙村薫 毎日新聞出版 2021.10.23読了 新型コロナウィルスの新規感染者が急激に減り、このまま第6波も来ないで完全に収束して欲しい。国民の誰もがそう期待し、私たちの生活は実際にコロナ禍以前の…

『我らが少女A』髙村薫/SNSで作られる虚構

『我らが少女A』髙村薫 ★ 毎日新聞出版 2020.5.2読了 このタイトルを見て「わーたーしー、少女A」と中森明菜さんが歌う場面を思い出しながら口ずさむ人は、私だけではないだろう。「私が」ではなく「我らが」というのがどういう意味なのか気になりながら読み…

『レディ・ジョーカー』 髙村薫 / 女性が描く男性心理

『レディ・ジョーカー』上・中・下 髙村薫 ★★ 新潮文庫 2019.3.22読了 言わずと知れた、グリコ・森永事件から着想を得たストーリー。同じモチーフの塩田武士さんの『罪の声』も良かったが、緻密な構成と深い人間考察、行間から漂うおどろおどろしさは髙村さ…

「冷血」髙村 薫

「冷血」上・下 髙村薫 ◎ 新潮文庫 2019.1.3読了 今年に入ってから読んだ本を1冊目からUPしようと思っていたので、数回分はバックデートになることをご勘弁あれ。 髙村さんの本は、合田シリーズは「マークスの山」と「晴子情歌」、あとは「土の記」しか読ん…