書に耽る猿たち

読んだ本の感想、本の紹介、本にまつわる話

外国(サ行の作家)-パオロ・ジョルダーノ

『タスマニア』パオロ・ジョルダーノ|戦争と原爆、今この本を読む意義と運命

『タスマニア』パオロ・ジョルダーノ 飯田亮介/訳 ★ 早川書房 2024.03.07読了 最近どうも広島や長崎、つまり戦争や原爆にまつわる書物をよく目にするし、自分でもおのずと選んでしまっている気がする。それだけ心の奥底で意識しているということだろうか。…

『天に焦がれて』パオロ・ジョルダーノ|ひたすらに美しい小説

『天に焦がれて』パオロ・ジョルダーノ 飯田亮介/訳 ★★ 早川書房 2022.1.8読了 至福の読書時間とはこのような本を読んだ時のことを言う。取り立てて何の変哲もない日に彩りをもたらす。特に夜更け過ぎ、水滴の音が響くほどの静寂の中で読み耽っていたのが最…

『素数たちの孤独』パオロ・ジョルダーノ/生きることが得意でない者たち

『素数たちの孤独』パオロ・ジョルダーノ 飯田亮介/訳 ★★ ハヤカワepi文庫 2020.11.8読了 ヨーロッパでは再びロックダウンが始まり、日本でも、ここ最近の感染者数の増加に不安が高まる新型コロナウィルスの蔓延。今年の初めに流行の兆しが見え始めてから、…