外国(ラ行の作家)
『ムーア人による報告』レイラ・ララミ 木原善彦 白水社[エクスリブリス] 2025.07.07読了 モロッコ出身で現在はアメリカに居住しているレイラ・ララミさんという方の作品である。作品も作者のことも知らなかったが、ピュリッツァー賞最終候補作になったこ…
『ベートーヴェンの生涯』ロマン・ロラン 片山敏彦/訳 岩波書店[岩波文庫] 2025.06.17読了 耳が聴こえないのに「運命」を作ったベートーヴェン、目が見えないのに「睡蓮」を描いたモネ。彼らには普通の人には見えない何が見えて(感じて)いたのだろう。 …
『女優エヴリンの七人の夫』テイラー・ジェンキンス・リード 喜須海理子/訳 ★ 二見書房[二見文庫] 2025.02.12読了 新年早々、はてなブログのトップページにあった記事にこの本が紹介されていてとても気になっていた。ブックマークも読者登録もしなかった…
『シンコ・エスキーナス街の罠』マリオ・バルガス=リョサ 田村さと子/訳 河出書房新社 2024.11.28読了 ペルー・リマを舞台とした現代小説で、リョサさんの作品の中ではかなり(というか一番)読みやすい部類に入る。 シンコ・エスキーナス街は、至る所で強…
『魂に秩序を』マット・ラフ 浜野アキオ/訳 新潮社[新潮文庫] 2024.11.15読了 最初はよくわからなかった。語り手アンドルーの周りには、家族のような自分に近しい人たちが常にいる(というか見守っている)。でも実はそれは多重人格のそれぞれの人格であ…
『彼岸花が咲く島』李琴峰 文藝春秋[文春文庫] 2024.08.08読了 約3年前に石沢麻依さんの『貝に続く場所にて』と同時に芥川賞を受賞した作品である。李琴峰さんの小説は、日本人以上に美しい日本語に魅了されていくつか読んでいる。この小説は、言葉、言語…
『クレーヴの奥方』ラファイエット夫人 永田千奈/訳 光文社[光文社古典新訳文庫] 2024.08.07読了 『クレーヴの奥方』という古めかしい奥ゆかしいタイトルもそうだが、より興味を掻き立てられるのが作者の名前がラファイエット「夫人」となっていることで…
『万博と殺人鬼』エリック・ラーソン 野中邦子/訳 早川書房[ハヤカワ・ノンフィクション文庫] 2024.07.30読了 本の表紙の肖像画的なものが一瞬夏目漱石さんのお札(旧紙幣になってしまうのよね)の顔に見えた。いやいや、よく見ると全然違う。たぶん、こ…
『グッバイ、コロンバス』フィリップ・ロス 中川五郎/訳 朝日出版社 2024.06.27読了 アメリカを代表する作家フィリップ・ロスが全米図書賞を受賞した作品である。重厚で濃密な文体と重苦しいテーマのイメージがあるが、ロスにしては爽やかな小説だった。な…
『ザ・ロード アメリカ放浪記』ジャック・ロンドン 川本三郎/訳 筑摩書房[ちくま文庫]2024.05.07読了 ジャック・ロンドンが作家として成功したのは「若いころあちこち放浪していた時代に経験したこの訓練のおかげではないか」と自身で感じている。その訓…
『プロット・アゲンスト・アメリカ』フィリップ・ロス 柴田元幸/訳 ★ 集英社[集英社文庫] 2024.05.01 フィリップ・ロスの作品は『素晴らしきアメリカ野球』か『グッバイ、コロンバス』を読みたいと前々から思っていた。先日書店に行ったらちょうどこの本…
『ガラム・マサラ!』ラーフル・ライナ 武藤陽生/訳 文藝春秋 2024.04.27読了 インドのミステリーなんて読んだことない!というか、そもそもインド人作家の小説を読んだことがあるのだろうか。あっても記憶にないし、インド人作家の名前すら出てこない。人…
『星月夜(ほしつきよる)』李琴峰(り・ことみ) 集英社[集英社文庫] 2024.01.30読了 日本語って本当に難しいと思う。最初に出てくる日本語の文法問題では、私たち日本人なら当たり前にわかることでも、多言語を使っている人からしたら相当難しいだろうな…
『フリアとシナリオライター』マリオ・バルガス=リョサ 野谷文昭/訳 ★ 河出書房新社[河出文庫] 2023.9.21読了 これがリョサの作品だとは思えないほどポップな青春ものだった。どうやら半自伝的小説とのことで、主人公の名もマリオ(リョサ自身)そのもの…
『マーメイド・オブ・ブラックコンチ』モニーク・ロフェイ 岩瀬徳子/訳 左右社 2023.5.18読了 人魚姫というと、ディズニー映画『リトル・マーメイド』のアリエルを思い浮かべる人が多いだろう。私もそうだ。この作品に登場する遠い昔からやってきたアイカイ…
『インスマスの影 クトゥルー神話傑作選』H・P・ラヴクラフト 南條竹則/訳 新潮社[新潮文庫] 2023.5.12読了 「クトゥルー神話」「ラヴクラフト」の単語はたまに目にするから、前から気になっていた。私はゲームをしないからわからないけどゲーム内にも結…
『ネイティヴ・サン アメリカの息子』リチャード・ライト 上岡伸雄/訳 ★★★ 新潮社[新潮文庫] 2023.1.3読了 新年早々、とんでもない小説を読んでしまった。この作品は『アメリカの息子』というタイトルで早川文庫から刊行されていたが、絶版のため手に入れ…
『マーダー・ミステリ・ブッククラブ』C・A・ラーマー 高橋恭美子/訳 東京創元社[創元推理文庫] 2022.11.23読了 このタイトルと帯の文句を見ただけでワクワク感が止まらない。ミステリ好きかつクリスティ好きなんて!私は読書会というものに参加したこと…
『独り舞』李琴峰 光文社[光文社文庫] 2022.9.16読了 以前読んだ李琴峰さんの『ポラリスが降り注ぐ夜』がとても良かったので、デビュー作で群像新人文学賞を受賞されているこの作品を読んだ。テーマは『ポラリス〜』と似ており、性的マイノリティに悩む若…
『ポラリスが降り注ぐ夜』李琴峰(り・ことみ) 筑摩書房[ちくま文庫] 2022.6.25読了 台湾出身の李琴峰さんは、昨年『彼岸花が咲く島』で芥川賞を受賞された。同時受賞の石沢麻依子さんの『貝に続く場所にて』がとても良かったから李さんの作品を読むこと…
『ピクニック・アット・ハンギングロック』ジョーン・リンジー 井上里/訳 創元推理文庫 2021.12.7読了 終始不穏な空気をまとっている作品だった。この先何が起こるのかわからないぞくぞくした緊迫感で、小説としてとてもおもしろく読めた。いわゆるミステリ…
『都会と犬ども』マリオ・バルガス=リョサ 杉山晃/訳 新潮社 2021.11.15読了 ペルー・リマにある軍人士官学校を舞台とした、寄宿舎に住む10代の少年たちの群像劇である。これがリョサさん初の長編小説で、しかも20代に書かれたものであることが信じがたい。…
『ソラリス』スタニスワフ・レム 沼野充義/訳 ハヤカワ文庫 2021.10.6読了 今年はポーランドの作家スタニスワフ・レムの生誕100年になるという。先月、国書刊行会から『インヴィンシブル 』が新訳で単行本として刊行され、かなり売れているというから、日本…
『ドルジェル伯の舞踏会』レーモン・ラディゲ 渋谷豊/訳 光文社古典新訳文庫 2021.8.2読了 人はどんなふうにして自分が誰かを愛していると気付くのだろう。フランソワの内に愛が宿った瞬間の描写を読んだときにふと思った。そしてドルジェル伯夫人・マオの…
『悪い娘(こ)の悪戯』マリオ・バルガス=リョサ 八重樫克彦・八重樫由貴子/訳 ★★ 作品社 2021.7.21読了 ペルー人のリカルドは、一生をかけて1人の女性を愛した。たとえ彼女が魔性の女だとしても。こんなに翻弄されなくても!言いなりにならなくても!また…
『奥のほそ道』リチャード・フラナガン 渡辺佐智江/訳 白水社 2021.4.13読了 私は旅行でタイに2回訪れたことがある。2回めに行った時、バンコクの郊外・カンチャナブリのオプショナルツアーに参加した。このツアーは、映画『戦場に架ける橋』の舞台となった…
『高い窓』レイモンド・チャンドラー 村上春樹/訳 ハヤカワ文庫 2021.3.23読了 先月読んだ『ロング・グッドバイ』が素晴らしく良かったから、余韻冷めやらぬうちに、探偵フィリップ・マーロウシリーズの3作めである『高い窓』を読んだ。今回も村上春樹さん…
『ロング・グッドバイ』レイモンド・チャンドラー 村上春樹/訳 ★ ハヤカワ文庫 2021.2.26読了 これは素晴らしい。とんでもない名作だ。最初の数頁を読んだだけで文体に引き込まれる。探偵が登場するハードボイルド小説、という枠組みを超えて、世界で最も秀…
『夏への扉』ロバート・A・ハインライン 福島正実/訳 ハヤカワ文庫 2020.9.23読了 SF古典小説の名作としてよく取り上げられているため、この作品の存在は知っていたがまだ未読だった。なんでも、日本で山崎賢人さん主演でもうすぐ映画が公開されるようで、…
『愛のゆくえ』リチャード・ブローティガン 青木日出夫/訳 ハヤカワepi文庫 2020.4.11読了 村上春樹さんが多大なる影響を受けたというリチャード・ブローティガン氏。私は彼の本をまだ読んだことがなかったのだが、1番読みやすそうな本作をまずは選んでみた…