書に耽る猿たち

読んだ本の感想、本の紹介、本にまつわる話

国内(あ行の作家)-石原慎太郎

『太陽の男 石原慎太郎伝』猪瀬直樹|良きライバルであり良き同志がいた

『太陽の男 石原慎太郎伝』猪瀬直樹 中央公論新社 2023.3.12読了 石原慎太郎さんが亡くなって約1年、元東京都知事で作家の猪瀬直樹さんが石原さんの評伝を執筆した。作家としての石原さんと猪瀬さんは、三島由紀夫さんのことを本に残しているという共通点が…

『天才』石原慎太郎|鋭い先見の明で日本を立て直す|そして、絶筆

『天才』石原慎太郎 幻冬社[幻冬舎文庫] 2022.5.22読了 大物になる人物は得てしてそうであるが、子供の頃の角栄さんも飛び抜けて頭が良く、小さいうちから物事の道理をわきまえ、根回しといったものを自然と覚え骨肉としていった。 何がすごいって、角栄さ…

『弟』石原慎太郎|唯一無二のかけがえのない存在

『弟』石原慎太郎 ★ 幻冬舎[幻冬舎文庫] 2022.3.9読了 私が物心ついた頃に石原裕次郎さんは活躍していたはずなのに記憶にない。報道番組で流れる昔の映像でしか私の中で裕次郎像はない。裕次郎さんの映画も1作も観たことはない。慎太郎さんはどうかと言え…

『太陽の季節』石原慎太郎|回想の使い方が絶妙

『太陽の季節』石原慎太郎 新潮文庫 2022.2.14読了 今月の初め、石原慎太郎さんご逝去のニュースが日本中を駆け巡った。昭和・平成を代表する偉人がまた1人、この世を去った。私のなかで石原慎太郎さんは政治家、ことに東京都知事の印象しかない。作家である…