書に耽る猿たち

読んだ本の感想、本の紹介、本にまつわる話

国内(あ行の作家)-井上荒野

『あちらにいる鬼』井上荒野/憎しみも独占もなく

『あちらにいる鬼』井上荒野 ★ 朝日新聞出版 2020.6.8読了 読みたかった本。期待して読んで、本当に思い通りに満足できた一冊だった。しとしとと雨の降る午後に、雨音だけが響く中、静かに読み浸っていたいような作品だ。この小説は刊行当時から話題になって…

『よその島』井上荒野/深く真摯な愛の話

『よその島』井上荒野 中央公論新社 2020.4.20読了 実の父親と瀬戸内寂聴さんの不倫を扱った話題の本『あちらにいる鬼』を読もうとしていたのに、書店に平積みされた新刊に何故か手が伸びてしまった。これって、本好き・書店好きあるあるですよね、きっと。…