書に耽る猿たち

読んだ本の感想、本の紹介、本にまつわる話

国内(あ行の作家)-大江健三郎

『大江健三郎自選短篇』大江健三郎|人間の生きる目的とは。目指すところは「死」

『大江健三郎自選短篇』大江健三郎 岩波書店[岩波文庫] 2023.6.25読了 ポルトガル作家ジョゼ・サラマーゴさんが亡くなった時は国葬だったらしい。どうして大江健三郎さんが亡くなった時には国葬にはならなかったのだろう、とポル語訳者木下眞穂さんは思っ…

『叫び声』大江健三郎|青春時代の難所

『叫び声』大江健三郎 講談社文芸文庫 2021.11.8読了 悩み大き青春の時代を歩む若者にこの本を読んで欲しい、そして人生の最初の難所を克服する助けとなれば、という思いで大江さんはこの小説を書いたそうだ。でも、若者でこの作品が理解できる人はそうそう…

『燃えあがる緑の木』 大江健三郎 / 魂のこと。魂は人の心に居続ける

『燃えあがる緑の木』 大江健三郎 第一部 「救い主」が殴られるまで 第二部 揺れ動く(ヴァシレーション) 第三部 大いなる日に 新潮文庫 2019.8.21読了 たまに、大江さんの小説が読みたくなる。読み始めて、あぁ、やはり難しいな、とか、よくわからないな、…