書に耽る猿たち

読んだ本の感想、本の紹介、本にまつわる話

国内(さ行の作家)-桜木紫乃

『家族じまい』桜木紫乃|自ら終えることの清々しさ、潔さ

『家族じまい』桜木紫乃 ★ 集英社[集英社文庫] 2023.7.11読了 家族じまいーー 何気ない言葉だけれど「家族を終わらせる」ということだろうか。「じまい」には「仕舞い」「終い」のどちらの字も充てることができるが、両方とも「終わり」を表している。家族…

『俺と師匠とブルーボーイとストリッパー』桜木紫乃|程よい距離感がちょうどいい

『俺と師匠とブルーボーイとストリッパー』桜木紫乃 角川書店 2021.8.29読了 タイトルが表している通り、「俺」を含めた4人が登場する小説である。桜木紫乃さんの作品は、ストーリーがしっかりしていて、いつどんな時でも(忙しくても時間がなくても多少疲れ…

『ふたりぐらし』桜木紫乃|他人と生活を共にする

『ふたりぐらし』桜木紫乃 新潮文庫 2021.3.31読了 書店の文庫本新刊コーナーに並んでいるのを見てつい買ってしまった。桜木紫乃さんといえば、去年刊行された『家族じまい』がそういえば気になっていたのだった。最近は家族をテーマにした作品を書くことが…