書に耽る猿たち

読んだ本の感想、本の紹介、本にまつわる話

国内(か行の作家)-京極夏彦

『狐花 葉不見冥府路行』京極夏彦|艶やかで面妖な世界へようこそ

『狐花 葉不見冥府路行(はもみずにあのよのみちゆき)』京極夏彦 KADOKAWA[角川ホラー文庫] 2025.05.31読了 昨年末に、歌舞伎好きの友人から「京極夏彦さんの本は好き?」と聞かれた。私が読書好きなのを知っているから何か本の話をするのかなと思ったら…

『鵼の碑』京極夏彦|蘊蓄たらたらがこのシリーズの醍醐味

『鵼の碑(ぬえのいしぶみ)』京極夏彦 講談社[講談社ノベルス] 2023.10.11読了 本が好きなら大抵の人が一度はハマったことがあるだろう京極夏彦さんの百鬼夜行シリーズ。中禅寺、榎津、関口、木場など懐かしの登場人物たちが勢揃い。ベストセラーを生み出…

『書楼弔堂 炎昼』京極夏彦/古典文学の指南書

『書楼弔堂 炎昼』京極夏彦 集英社文庫 2019.12.28読了 シリーズ1弾を読んだ時も思ったのだが、この小説は、文学や芸能において、昔の優れた人物や本を紹介する指南書のように思う。 本作品も連作短編のような形式を取り、章ごとに人物の紹介がなされる。と…