書に耽る猿たち

読んだ本の感想、本の紹介、本にまつわる話

国内(あ行の作家)-朝井リョウ

『正欲』朝井リョウ|正しさ、多様性、居心地の良さ 不安と葛藤し生きていく

『正欲』朝井リョウ 新潮社[新潮文庫] 2023.6.19読了 自分にとっての「正しさ」とは何だろう。「正しい」といっても、それは全員にとってひとくくりに正しいということではないし、正しさが正解とも限らない。多数派が少数派よりも正しいというわけではな…

『スター』朝井リョウ|作り手と受け取り手の想い

『スター』朝井リョウ 朝日新聞出版[朝日文庫] 2023.3.28読了 社会人を対象にした「これから始めたい習いごと」の第一位が「動画編集」であると何かのテレビ番組で流れているのを先日見た。一般人でもYouTube、TikTokをはじめとして、世間に自分の意見を自…

『世界地図の下書き』朝井リョウ|身体と心、一番成長する時期にどう生きるか

『世界地図の下書き』朝井リョウ 集英社[集英社文庫] 2022.4.21読了 久しぶりに朝井リョウさんの小説を読んだ。もしかすると直木賞受賞作『何者』以来かもしれない。私の中で朝井さんは、小説界の「時代の寵児」というイメージだ。 両親を事故で亡くし、児…