書に耽る猿たち

読んだ本の感想、本の紹介、本にまつわる話

外国(ア行の作家)-ミシェル・ウェルベック

『滅ぼす』ミシェル・ウエルベック|政治、死、そして愛について

『滅ぼす』上下 ミシェル・ウエルベック 野崎歓 齋藤可津子 木内暁/訳 ★ 河出書房新社 2024.01.29読了 ウエルベックの小説ってどうしてこんなにカッコいいんだろう。ストーリーも文体も、登場人物の会話も、もう何もかも。鋭く光るセンスは誰にも真似出来な…

『セロトニン』ミシェル・ウエルベック|孤独を選ぶ人もいる

『セロトニン』ミシェル・ウエルベック 関口涼子/訳 河出書房新社[河出文庫] 2022.10.3読了 油絵のようなグリーンの挑発的な表紙が目立っていた単行本とはうって変わった印象。文庫本はなかなかカッコいい表紙である。色合い、タイトルと著者名のバランス…

『服従』ミシェル・ウエルベック/政治への服従、男女間の服従

『服従』ミシェル・ウエルベック 大塚桃/訳 河出文庫 2019.11.28読了 先日読んだ『プラットフォーム』に次いで、ウエルベックは2冊目である。1冊読んで、なんとなく読んでいて私にはしっくりくる空気感だった。いつも言っている、読み心地のこと。 2022年の…

『プラットフォーム』ミシェル・ウエルベック / 虚無を抱えて生きる

『プラットフォーム』ミシェル・ウエルベック 中村佳子/訳 河出文庫 2019.11.9読了 書店でミシェル・ウエルベック氏の本をたまに見かけるが、こんなに有名な人だったのか。そして、なかなか面白い本を書く人だな、さすが現代ヨーロッパを代表する作家だと感…