書に耽る猿たち

読んだ本の感想、本の紹介、本にまつわる話

外国(カ行の作家)-呉明益(ゴ・メイエキ)

『歩道橋の魔術師』呉明益|現実の世界にはない「本物」がきっとある

『歩道橋の魔術師』呉明益 天野健太郎/訳 河出書房新社[河出文庫] 2022.11.11読了 読んでいる自分がマジックに魅了されてしまったようだ。やられた!とかではなく、むしろ心地よい騙され感。そんな不思議な魔法に包まれている、ずっと読んでいたくなるよ…

『自転車泥棒』呉明益|心を込めて修理し、大切に使われるモノ

『自転車泥棒』呉明益 天野健太郎/訳 文春文庫 2021.10.21読了 台湾の情景を想像すると、なぜか懐かしく感じる。一度しか行ったことがないのに何故「懐かしさ」を感じるのだろうか。おそらく過去に台湾を舞台にした小説を読みそう感じたのだろう。台湾の歴…

『複眼人』呉明益|地球規模のファンタジー

『複眼人』呉明益(ご・めいえき) 小栗山智/訳 KADOKAWA 2021.8.23読了 東京オリンピック2020で新しく「サーフィン」が競技登録された。まだ記憶に新しいと思うが、男子サーフィンで見事銀メダルを獲得した五十嵐カノアさんが、競技終了後に海に向かってひ…