書に耽る猿たち

読んだ本の感想、本の紹介、本にまつわる話

国内(た行の作家)-田中慎弥

『地に這うものの記録』田中慎弥/ネズミとの和解は如何に

『地に這うものの記録』田中慎弥 ★ 文藝春秋 2020.4.22読了 田中慎弥さんの作品ってどうも中毒性があるようで、つい気になって読んでしまう。これは今月の新刊である。本を持ち上げた瞬間、見た目の厚さに反してずっしりと重い。ハードカバーの紙質もそうだ…

『犬と鴉』田中慎弥 / 人は悲しめば悲しむほど満腹になる

『犬と鴉(からす)』田中慎弥 講談社文庫 2019.11.10読了 表題作を含む3編の中短編が収録されている。過去に私が読んだ2作品に比べると、1番昔に書かれたようだ。前回読んだ『燃える家』に非常に圧倒されたから、それには劣るだろうと、あまり期待を持たず…

『燃える家』 田中慎弥 / 圧倒的な筆力で描かれ、炎のように燃えさかる 

『燃える家』 田中慎弥 ★ 講談社 2019.5.12 読了 表紙を見て、まるで新潮文庫の三島由紀夫作品のようだと思った。きっとそう感じたのは私だけではないだろう。これだけで、あの重厚で美しい文章を味わえるのかという期待感を持つ。田中慎弥さんの『共喰い』…

『共喰い』 田中慎弥 / 血のつながりを考える

『共喰い』 田中慎弥 集英社文庫 2019.2.17読了 第146回芥川賞受賞作。当時の会見で話題をさらった田中慎弥さん。会見の印象が強すぎて目立ってしまい、確か同時受賞の円城塔さんに申し訳なかったと後で話していたような。なんとなく手にする機会を逃してい…