書に耽る猿たち

読んだ本の感想、本の紹介、本にまつわる話

国内(か行の作家)-小池真理子

『神よ憐れみたまえ』小池真理子|百々子の数奇な運命はいかに

『神よ憐れみたまえ』小池真理子 新潮社[新潮文庫] 2023.11.15読了 久しぶりに小池真理子さんの小説を読んだ。彼女の本は恋愛コテコテのものが多くてなんとなく遠のいていたのだけど、この本はどっぷりと物語世界に浸れるなかなか骨太の作品であった。表紙…

『死の島』小池真理子|人間は最期どうやって死ぬのがいいのか

『死の島』小池真理子 文春文庫 2021.3.21読了 長く文芸書の編集職をしていた澤登志夫は、定年後はカルチャースクールで小説講座を務めていた。しかし末期の腎臓がんのため講座を辞することに。元々妻子もあった登志夫だが、過去に不倫関係になった女性が原…

『狂王の庭』小池真理子 / 大人のための極上の恋愛小説

『狂王の庭』小池真理子 角川文庫 2019.8.23読了 恋愛小説である。こういった恋愛ひとすじの小説を読んだのも久しぶりな気がする。10代、20代のころは恋愛小説が好きだったはずなのに、最近は全くそう思わない。若い時は、そもそも現実において「恋愛」が全…