書に耽る猿たち

読んだ本の感想、本の紹介、本にまつわる話

国内(た行の作家)-筒井康隆

『敵』筒井康隆|日常の飽くなきまでの細かい観察と妄想

『敵』筒井康隆 新潮社[新潮文庫] 2024.11.07読了 75歳の独居老人渡辺儀助のとりとめもない独白が続く。住んでいる家がどうとか、預貯金やら、老臭やら、身の周りのものなど自身の想いがつらつらと、滑稽な語りで綴られる。長編小説というくくりになってい…

『世界はゴ冗談』筒井康隆|インパクトがありすぎる短編集

『世界はゴ冗談』筒井康隆 新潮文庫 2021.6.26読了 表題作を含めた10作品が収められた短編集である。筒井康隆さんの作品を読むのは久しぶりだ。そして彼の短編というのも初めてだ。いや〜、奇想天外なストーリーづくしでたまげる。一話めから、タイトルから…