書に耽る猿たち

読んだ本の感想、本の紹介、本にまつわる話

外国(ハ行の作家)-ウィリアム・フォークナー

『野生の棕櫚』ウィリアム・フォークナー|交わらないのにお互いを高め合う二つの作品

『野生の棕櫚(やせいのしゅろ)』ウィリアム・フォークナー 加島祥造/訳 中央公論新社[中公文庫] 2023.12.12読了 フォークナーの小説を読むときは心を静謐に保ち、雑音を排除する必要がある。そうしないと頭に入ってこないのだ。タイトルにある漢字の「…

『サンクチュアリ』ウィリアム・フォークナー|濃い霧の中を模索する、それを読み解く楽しさ

『サンクチュアリ』ウィリアム・フォークナー 加島祥造/訳 新潮社[新潮文庫] 2023.2.15読了 先月コロナウイルスに感染してしまったとき、何故か無性に中上健次やフォークナーの小説が読みたくなった。身体も心も弱っていたから、粘つくような力強い物語を…