書に耽る猿たち

読んだ本の感想、本の紹介、本にまつわる話

国内(た行の作家)-津村記久子

『現代生活独習ノート』津村記久子|単独で学習する現代人

『現代生活独習ノート』津村記久子 講談社 2022.6.16読了 去年の11月に刊行された津村記久子さんの短編集を読んだ。過去に文芸誌に掲載された8つの作品が収められている。タイトルに「生活独習」とあるように、なんらかの物事を独りで学習するようなストーリ…

『ディス・イズ・ザ・デイ』津村記久子|スポーツ観戦することで自己をみつめる

『ディス・イズ・ザ・デイ』津村記久子 朝日新聞出版[朝日文庫] 2022.2.18読了 私はサッカーよりも野球のほうが好きだ。普段Jリーグも海外リーグも高校サッカーの試合も観ない。ワールドカップだけは、テレビに張り付いて観るという「にわか」だ。ラグビ…

『まともな家の子供はいない』津村記久子|「まとも」「ふつう」って何?いいことなの?

『まともな家の子供はいない』津村記久子 ちくま文庫 2022.1.14読了 去年の後半は津村記久子さんの作品を結構読んだが、今年はこの本から。表題作ともうひとつ『サバイブ』という短編が収められている。 『まともな家の子供はいない』 津村さんの作品にして…

『ポトスライムの舟』津村記久子|会社で働くということ

『ポトスライムの舟』津村記久子 講談社文庫 2021.12.19読了 表題作と『十二月の窓辺』という2作の中編小説が収められている。『ポトスライムの舟』は、2009年に第140回芥川賞を受賞。先日、今度の芥川賞と直木賞の候補作が発表されていたが、年に2回もある…

『アレグリアとは仕事はできない』津村記久子|機械との付き合い方

『アレグリアとは仕事はできない』津村記久子 ちくま文庫 2021.11.1読了 てっきり同僚の女子社員のことだと思っていたら、このアレグリアって複合機だったのか…。地質調査会社で働く事務員のミノベは、高機能と謳われた複合機と格闘する。1分間機能を果たし…

『君は永遠にそいつらより若い』津村記久子|もやもやとした大学生と社会人のはざま

『君は永遠にそいつらより若い』津村記久子 ★ ちくま文庫 2021.9.20読了 なかなか良いタイトルである。本谷有希子さんの作品にありそう。「そいつら」というのが特にいい。津村さんの小説はタイトルのセンスがひときわ抜きん出ていて、読む前から気になり手…

『つまらない住宅地のすべての家』津村記久子|ご近所付き合いも悪くはない

『つまらない住宅地のすべての家』津村記久子 双葉社 2021.6.16読了 日本のほとんどの地域で、多くの家の集まりがある。それが密集すると一戸建てなら住宅地、マンションなら団地になる。去年読んだ柴崎友香さんの『千の扉』を思い出した。柴崎さんの作品は…

『この世にたやすい仕事はない』 津村記久子 / 色々な仕事・職場を経験すると自分のことがよりわかる

『この世にたやすい仕事はない』 津村記久子 新潮文庫 2019.3.26読了 14年間勤め上げた仕事に燃え尽き投げ出してしまい、ゆるーい仕事を求めて転々と職を変えていく36歳女性の話。世の中には、本当に色々な仕事があり、そしてどんなことでも仕事になるんだな…