書に耽る猿たち

読んだ本の感想、本の紹介、本にまつわる話

国内(や行の作家)-柚月裕子

『狐狼の血』柚月裕子|ガミさんの男意気と生き方

『狐狼の血』柚月裕子 角川文庫 2021.8.15読了 女性なのに、よくこんなヤクザ&警察もの書けるよなぁと尊敬する。警察ものはわかるけど、暴力団の話って言葉も特殊で難しいと思う。取材するわけにもいかないし。広島弁も巧みで、特にガミさん(呉原東署暴力団…

『盤上の向日葵』柚月裕子/小説の楽しさに気付いていない人に読んでほしい

『盤上の向日葵』上下 柚月裕子 中公文庫 2020.12.15読了 タイトルからわかるように、将棋を題材にした作品。昨今の将棋ブームで、最近は将棋をテーマにした作品がよく売れるように思う。藤井聡太二冠の存在も大きい。 最初は、当たり障りもない文章でただ読…

『慈雨』 柚月裕子 / 罪に向き合いめぐみの雨で全てを洗い流す

『慈雨』 柚月裕子 集英社文庫 2019.6.19 読了 慈雨(じう)・・・万物をうるおし育てる雨。また、ひでりつづきのときに降るめぐみの雨。 柚月裕子さんの作品は、よく目にしていたが実際に読むのは初めてであった。刑事もの、ハードボイルドな作風というイメー…