書に耽る猿たち

読んだ本の感想、本の紹介、本にまつわる話

国内(ま行の作家)-松浦寿輝

『名誉と恍惚』松浦寿輝|芹沢一郎の運命と生き様に魅了される

『名誉と恍惚』上下 松浦寿輝 ★★ 岩波書店[岩波現代文庫] 2024.03.21読了 数年前に上海1泊3日の弾丸ツアーをしたことがあって、上海ディズニーランドだけを目的に楽しむという旅だった。泊まったホテルも出来たばかりのトイ・ストーリーホテル。日本のディ…

『無月の譜』松浦寿輝|旅の醍醐味、人生で何かをとことんまで突き詰めること

『無月の譜』松浦寿輝 ★ 毎日新聞出版 2023.3.26読了 将棋は運では決まらない。確実に知力と知力のぶつかり合いであり、また将棋の世界の奥行きは深い。とはいえ、私自身将棋は詳しくない。2016年に藤井聡太さんが中学生でプロ棋士になり日本中で将棋が流行…

『香港陥落』松浦寿輝|戦争は友情を壊してしまうのか|文体を味わう

『香港陥落』松浦寿輝 講談社 2023.2.23読了 過去に香港旅行に行った時、その煌びやかな夜景に圧倒された。今でも九龍半島の高架道から香港島の夜景を鑑賞する「シンフォニー・オブ・ライツ」の映像がまざまざと蘇る。しかし一番思い出すのは、外気温と建物…