『星を継ぐもの』 ジェイムズ・P・ホーガン 池 央耿 /訳
創元SF文庫 2019.3.5読了
普段だったらあまり手に取らない分野の小説だが、創元SF文庫で100冊突破!というロングセラーだったので気になり読んでみた。昔、立花隆さんの『宇宙からの帰還』を読んだことをふと思い出す。私にとっては特別興味深いわけでもないのだが、これだけの版を重ね、圧倒的な支持を得ており評判が良い。解説でも「ストーリーを語るよりも、アイデアを語ることが中心となっている。科学や技術について語り、それを取り上げることに楽しさを感じている形跡がある。」とある。確かにそうだ。月面で宇宙服を着た死体が発見され、これは一体何者なのか、という点だけを追っていく話。
しかし、本を読むという行為はいかにも文系であるのに、数学、科学、物理などの内容のものを読むと、なんとも先へ進みづらく理系の感覚に陥る。確か、『フェルマーの最終定理』を読んだ時もそんな気持ちになった。こうなると、自分は本が好きというわけでもないのかと感じてしまう。ただし、読み終えるとこういう世界もあったのかと納得出来るし、やはり多岐に渡る分野の本を読んだ方がいいのだなと思い、読んで良かったと思うのも確か。そんなに充実感はないのに、しばらくすると読みたくなる。やはり、読むことは好きなのだろう、中毒化している。
100刷とは、一体どのくらいの部数なのだろうか。出版社によっても、そして本によっても一度に刷る数は違うため一概に言えない。それにしても電子書籍の場合は、どのようにして版を判断するのだろう。