書に耽る猿たち

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『ゴリラに学ぶ男らしさ 男は進化したのか?』山極寿一 / 人間の方が変わっているのかもしれない

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『ゴリラに学ぶ男らしさ 男は進化したのか?』山極寿一

ちくま文庫  2019.11.5読了

 

リラ研究の世界的権威、山極寿一先生の著作である。タイトルに「男らしさ」とあるが、ジェンダーレスが叫ばれている現代には、相応しくないのでは?なかなか挑戦するな〜、と感心した。が、巻末の「あとがきのあとがき」を読むと、元々単行本は今から15年程前に刊行されたとのこと。当時も、山極先生が男性であるが故に男性目線だとか、生物学上のオスと男を同じ意味に取り違えられるなど、批判もあったらしい。誤解を解くため、そして見るに見かねる男性が多くなった昨今に喝を入れるため、さらに、男女がより幸福になるように、と願いを込めて文庫再販に至ったようだ。

リラをメインにして、サル・類人猿の生き方を説き、そこからヒト(人間)について、男について、掘り下げており、なかなか興味深い考察が多い。山極先生が言うには、人間も類人猿であり、サルと同じ仲間。人間だけやり方が違うという独自の習慣も多く、むしろ人間がおかしい!という考えが根底にある。確かに私たちは多数の人間で、自分たちが普通と感じているかもしれないが、サル・類人猿という枠でみると、少数派に当たる(総数ではなく、種としての数)。だから、きっとチンパンジー、ゴリラからしたら、人間って変わっているな〜と思っているはずなのだ。

スゴリラの習性で、ドラミングがある。ウホウホと胸を両手で叩く、あれだ。実は人間も同じことをしている。胸を叩いて見栄を張るのも男に独特のしぐさだし(何故かジャイアンを思い浮かべてしまう)、相撲の仕切りもドラミングに似ているらしい。なるほど、確かにそんな気がする。

代社会は、男性がおとなしくなったとか、弱くなったわけではないと思う。女性がむしろ強くなったというか、男女問わず、平等になってきているのだ。もはや、ジェンダーの括りなしに、人間として大きな差がなくなってきている。

のブログのタイトルにもあるように、私は猿が大好きである。小さい頃は、私も犬や猫が好きだったし、今でももちろん動物全般好きである。けれども、猿がダントツで1番好きだ。見ていて飽きない。見ていてどんどんかわいくなる。愛おしくなる。出来るものなら猿の子どもを産みたいくらいだ笑。周りには理解されにくい。でも、本当に猿はかわいい。もっと皆んなに真剣に猿を見て欲しい。