書に耽る猿たち

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『現代語古事記』竹田恒泰/日本最古の歴史書は、特に神の代(神話)がおもしろい

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『現代語古事記 ポケット版』竹田恒泰

学研 2019.12.14読了

 

容院では、いつも雑誌は読まずに本を持参する。最近そういう人は少ないようで、昔通っていたサロンの美容師さんに言われた。その時に本の話になり、その方に薦めてもらったのが、『古事記』だったのだ。ひょんなことから読み始めたそうで、意外に興味深いですよ、と言われたので、かれこれ数年頭の片隅にあった。その方は生まれ故郷に帰り、自分の店をオープンさせたからもう会っていない。今思えば、誰の書いた(訳した)古事記か聞いておけば良かった。

十種類もある中から選んだのが、竹田恒泰さんの本だ。古事記を読んだ人なんて身近で聞かないため、色んなサイトやレビューを見て、1番読みやすそうだったから。冒頭に竹田さんが「古事記を楽しんで読むための最大のコツは、神様と人の名が出てきたらすぐに忘れること」とあり、その通りかなり飛ばしてみたらすらすら読めた。確かに、専門家でもない限り、これをやらないと絶対に読破できないだろう。

事記は3巻にわかれており、上巻が「神」の代の物語、中巻が「神と天皇」の代の物語、下巻が「天皇」の代の物語だ。古事記を読む意味は、代々日本に続く天皇制を理解すること、それを子孫に引き継いで残すことのようだが、私は上巻の神の話が面白かった。最初の神は男女の区別がなかったらしいが、そもそも神に男女とかのくくりがあるなんて思いもしなかった。途中から男神、女神が登場して、子供を産むように次々と島が誕生する。嘔吐や糞尿から、神が産まれるなんて失笑しかない。そして神同士も結婚したり嫉妬したり、人間と変わらないのね。

さい頃に、断片的に『ヤマトタケル』や『因幡の白兎』『八岐大蛇(やまたのおろち)』など、童話で知っていたが、一筋に繋がった気がする。ただ、あれも古事記を引用して作った物語だったから、実際の古事記に出てくる内容とは少し異なっていた。海幸彦と山幸彦のところで、以前読んだ『椿宿の辺りに』を思い出す。

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事記の本文だけでなく(それも現代訳でかなり読みやすいのだが)、途中にあるコラムのおかげで、くすりと笑えるエピソードがあったり、理解しやすかった。おそらくこの本は古事記入門の中でも入門書だと思うので、古事記を理解出来たとは到底言えないが、日本最古の歴史書を読んで良かった。

ういえば、オリエンタルラジオ中田敦彦さんが、YouTubeで講義をやっている。これが滅法面白いと評判で、私も少しだけ観たことがある。しかも、観たのが「日本の神話 超大作 古事記」だった。全部で40分あり長いから、半分だけ。確かに!古事記がどうというより、あっちゃんの講義に圧倒された。私は文字から習得するのが好きだけれど、映像からインプットしたい人はこれを観るのもいいと思う。