書に耽る猿たち

読んだ本の感想、本の紹介、本にまつわる話

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『クロコダイル路地』 皆川博子 / 自分に合わない本はどうするか?

『クロコダイル路地』 皆川博子 講談社文庫 2019.1.30読了 いや、読了したとは言えず、もはや目を通しただけのレベル。 文庫本なのにこの分厚さ、そして随所に挟み込まれたゴシック調のイラスト、そして超強気なこの価格(1,850円!講談社文芸文庫、学術文庫…

『宝島』 真藤順丈 / 生命力に溢れた沖縄という島の物語

『宝島 HERO's ISLAND』 真藤順丈 講談社 2019.1.29読了 帯にもあるように、"熱量"と称されることが代名詞になっているかのような、第160回直木賞受賞作。最近の直木賞受賞作品は、個人的には好き嫌いがはっきりしており(近年では西加奈子さんの『サラバ!』…

『村上さんのところ』村上春樹 / 小説のかたち

『村上さんのところ』 村上春樹 新潮文庫 2019.1.26 読了 2015年1月~5月の期間限定サイトによる、村上春樹さんとのメールのやりとり。その中から選りすぐった473通が収録されている。 いつもながら村上さんの文章は心地よい。数日前にどっぷり浸かる小説を…

「背教者ユリアヌス」 辻 邦生 /至福の読書

「背教者ユリアヌス」(一)(二)(三)(四) 辻 邦生 ○ 中公文庫 2019.1.23読了 あぁ、辻邦生さんの本を何故今まで読まなかったのか、と悔やまれる…こんなにも美しい日本語を奏でられる人が今どのくらいいるだろう。 4世紀のローマ帝国を舞台にした、史実を元に…

「輝ける闇」 開高 健

「輝ける闇」 開高 健 新潮文庫 2019.1.13読了 年末に始めて読んだ開高健さんの「青い月曜日」。生き生きとした文体に生のエネルギーを感じた。ねっとり絡みつくような比較的長めの文章が好物である私だが、歯切れの良い開高さんの文体にどこかしら心地良さ…

「永遠の夫」 ドストエフスキー *名前で売れること

「永遠の夫」 ドストエフスキー 千種 堅/訳 新潮文庫 2019.1.12読了 生涯ただただ"夫"であるにすぎない"永遠の夫"の物語。裏表紙にある内容紹介。一体どんな話なんだろうと読んだけど、正直何も感想がない。ただただ字を追っていっただけのようだ。解説には…

「蔵」 宮尾登美子

「蔵」上・下 宮尾登美子 ○ 中公文庫 2019.1.10読了 宮尾さんの文章には、やはり、貫禄がある。いつものように、これでもかという位の試練が立ち塞がり、それを乗り越えていく女性の生き方が描かれている。 映画化、ドラマ化、舞台化もされており、烈という…

「ベルリンは晴れているか」 深緑野分

「ベルリンは晴れているか」 深緑野分 筑摩書房 2019.1.7読了 1940年代のドイツ、ベルリン、主人公アウグステの数日間の物語。戦争が終わった後をひたむきに生きる人達。幕間がいくつか挟まれており、少女時代のエピソードが挿入されている。 少し前から新聞…

「王妃の離婚」 佐藤 賢一

「王妃の離婚」 佐藤 賢一 集英社文庫 2019.1.6読了 第121回直木賞受賞作の本作、ずっと前から気になっていたがようやく読了。中世フランスの訴訟問題がテーマになっているとのことだが、私としては少し期待外れ。どうも、小中学生の時に読んでいたコバルト…

「冷血」髙村 薫

「冷血」上・下 髙村薫 ◎ 新潮文庫 2019.1.3読了 今年に入ってから読んだ本を1冊目からUPしようと思っていたので、数回分はバックデートになることをご勘弁あれ。 髙村さんの本は、合田シリーズは「マークスの山」と「晴子情歌」、あとは「土の記」しか読ん…

はじめての投稿

今日からブログをはじめる、本と猿が好きな honzaru です。 普段は会社勤めをしていて、趣味はいくつかはあるけれど、一番は読書。 本を読んでる時間が一番happy 、だから、毎日必ずhappyになれます。 自分が読んだ本の感想、本の紹介、本にまつわる色々な話…