書に耽る猿たち

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『青春は美わし』ヘルマン・ヘッセ/野田あいさんのイラストもうるわし

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『青春は美わし(うるわし)』ヘルマン・ヘッセ 高橋健二/訳

新潮文庫 2020.6.14読了

 

びヘッセ氏の小説を読んだ。表題作『青春は美わし』と『ラテン語学校生』という二編の短編が収められている。どちらも、若く瑞々しい青春の香り漂う作品である。

「うるわし」と読ませる場合、一般的には「麗し」と使われることが多いように思う。「美わし」「麗し」どちらも「うつくしい、きれい」という意味だが、「美わし」と書いた場合には景色についても形容される。青年の悩ましい姿が、故郷の情景とともに浮かび上がる様は「美わし」のほうが何ものをにも形容され得るのだろう。

れにしてもヘッセ氏が描く男性は、一方的な想いを相手に馳せることが多く場合によっては失恋する。若く純粋な時にこのような気持ちを経験することで、その後の長い人生により深みと落ち着いた佇まいを身につけ、紳士然となるように。

ころで、新潮文庫のヘッセ作品の表紙は、いつも哀愁漂うイラストである。色合いもそうだがヘッセ作品に同調している。調べてみると、1976年東京産まれのイラストレーター、野田あいさんという方が描かれたようだ。インターネットで調べてみると、確かに見たことあるイラストがたくさん。新潮文庫の『赤毛のアン』シリーズの表紙にも!

 

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私たちがさりげなく目にしている本の表紙やポスターなどにも多く使われている。たまに個展も開かれているようなので、いつか行ってみたい。

 

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