2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧
『謎の独立国家ソマリランド そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア』高野秀行 集英社文庫 2021.5.26読了 ずっと前から高野秀行さんの本を読んでみたくてようやく手にしたのがこの本。書店には数多くの文庫本が並んでいた。1番分厚くて躊躇したけれ…
『オルタネート』加藤シゲアキ 新潮社 2021.5.24読了 高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」を題材にした小説である。いま世の中にあるマッチングアプリは結婚を前提としたものが多い。マッチングアプリ自体は数年前から流行っていて、私の知り合い…
『花のれん』山崎豊子 新潮文庫 2021.5.23読了 吉本興業創設者の女主人(吉本せい)をモデルにして書かれた小説で、山崎豊子さんが直木賞を受賞した作品である。山崎さんの長編はほとんど読んでいるがこの本はまだ未読だった。 大阪の天満と言えば、今は飲み…
『動物農場』ジョージ・オーウェル 山形浩生/訳 ハヤカワepi文庫 2021.5.21読了 『一九八四年』と並ぶオーウェルさんのもう一つの代表作『動物農場』を読んだ。ブタの独裁政権の話であることは広く知られている。刊行されたのは1945年で古典の部類になるだ…
『邪宗門』上下 高橋和巳 河出文庫 2021.5.19読了 佐藤優さんが世界に誇る日本文学と謳っている高橋和巳さんの『邪宗門』を読んだ。高橋さんの作品は先日『非の器』を初めて読み、なかなか好みの作風であると感じた。ただ、読み応えがある故にどっしり重く結…
『郝景芳(ハオ・ジンファン)短篇集』郝景芳 及川茜/訳 白水社 2021.5.12読了 中国系アメリカ人作家のケン・リュウさんが郝景芳さんの『北京 折りたたみの都市』を絶賛して英訳し、作品はヒューゴー賞を受賞した。ケン・リュウさんがこの作品を含め中国SF…
『地球星人』村田沙耶香 新潮文庫 2021.5.11読了 村田沙耶香さんが芥川賞を受賞した『コンビニ人間』は、刊行当時大変話題になった。コンビニ人間なんて、時代を象徴しているなと思ったりしたけれど、これからは無人のお店も増えたりして、いつかは古くさく…
『タタール人の砂漠』ブッツァーティ 脇功/訳 岩波文庫 2021.5.10読了 現代イタリア文学の鬼才で、カフカの再来と呼ばれているブッツァーティさん。神秘的、幻想的で、不条理を描いたら右に出る者がいないと言われている。元々気になってはいて、堀江敏幸さ…
『彼女がエスパーだったころ』宮内悠介 講談社文庫 2021.5.8読了 宮内悠介さんのことはずっと気になっていた。鬼才大才と呼ばれている。本を読んでいて、この著者は天才だなと思ったのは、最近だと小川哲さんだ。『ゲームの王国』を読んだ時は、どうしたらこ…
『クララとお日さま』カズオ・イシグロ 土屋政雄/訳 ★★★ 早川書房 2021.5.6読了 ノーベル文学賞受賞後、第1作目の長編小説である。カズオ・イシグロさんの本を単行本で購入したのは初めてかもしれない。やはり、イシグロさんはすごい。導入を少し読んだだけ…
『五匹の子豚』アガサ・クリスティー 山本やよい/訳 ★ ハヤカワ文庫 2021.5.4読了 クリスティーさんの作品は、有名なものはほとんど読んでしまったからかしばらく遠のいていたのだけれど、有名でなくともおもしろい!ということを証明する作品だった。とは…
『ウィステリアと三人の女たち』川上未映子 新潮文庫 2021.5.2読了 大好きな川上未映子さんの文庫本新刊である。川上さんの本は毎年1冊は読んでいると思っていたのに、去年は読んでいなかったみたいだ。『夏物語』では毎日出版文化賞を受賞され、海外でも多…
『香水 ある人殺しの物語』パトリック・ジュースキント 池内紀/訳 文春文庫 2021.5.1読了 去年、瑛人さんの『香水』という曲が流行した。TVで歌う姿もよく目にした。サビの部分が頭から離れず、口ずさむこともよくあった。そんな日本人は多かっただろう。 …